たとえば当時、我が家では週に1回ほど
お掃除にヘルパーさんを入れる予定になっていました。
目的は「掃除」ではなく、
両親の様子をそばで見て、何か異変があれば私に知らせてもらえるようにすること。
けれど、その話を父にしたところ――
「なんで週1回も掃除に来てもらう必要があるんだ!俺が全部やってるのに!」
と、予想以上の怒りを見せたのです。
私にしてみれば、「これは見守りの意味も含めた支援」だったのですが、
父には「自分の無力さを責められている」と感じられたのかもしれません。
そんなふうに、たとえ制度が整っても、
そこにいる人の気持ちが追いついていなければ、介護は簡単には前に進めない。
痛感した出来事でした。
