【40代娘母の介護記録】母の奇妙な行動──それでも私は認知症に気づけなかった

介護と心の記録

母の奇妙な行動は続いていました。
ある日、私がスーパーから帰ると母は、

「誰もいなくなったから、捨てられたと思った」

そう言って、見たこともないような顔で号泣していたのです。
また別の日は、深夜に5分おきくらいの頻度で
「本当に私が部屋で寝ているか?」を確認しに来て、
ドアをそっと開けて覗くのです。

正直、どこにそんな体力があるのか…
と驚くほど、深夜になると妙に活動的でした。

でも、そんな奇妙な行動を見ても、
私はまだ「母が認知症かもしれない」とは思っていませんでした。

というよりも、
・どこの病院に行けばいいのか?

・何から始めたらいいのか?

そうしたことが全くわからず、ただ戸惑うばかり。
今思えば、私の中にはあまりにも情報がなさすぎて、
ただただ、途方に暮れていたんだと思います。

「認知症」という言葉は、もちろん知っていました。
でも、当時の私は

「物忘れがひどくなるアレでしょ?」
くらいの、どこか他人事のような感覚だったのです。

そしてなにより――

自分の母親が、まさか認知症になるなんて….
その現実を受け入れる覚悟が、
まだできていなかったのかもしれません。

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