母の認知症が発覚し、
これからは月に一度、実家に帰省することにしました。
私がいない間は、父と母の二人きり。
父は、認知症とはどういうものかを自分なりに調べたり、
介護についての本を読んだりして、懸命に理解しようとしていました。
私はというと、ケアマネージャーさんと連絡を取り合うことで、
わからないことや不安を相談できる相手ができ、
「やっと一人じゃない」と、思えるようになってきたところでした。
そんなある日、父から電話がかかってきました。
「この前、お風呂から上がったときにお母さんの姿が見えなくて探したら、
裸足のまま、外で転びながら歩いていたんだ….」
「トイレが間に合わなくて、ちょっと大変だったよ」
電話口で聞く父の声は、淡々としてはいたけれど、
その内容は、想像以上にハードなものでした。
まさか、自分の母親がそんなことになっているなんて。
次に帰省するのが、正直怖くなったことを今でも覚えています。

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