「お薬カレンダーがバラバラに…」認知症の母の記憶と、家族の備え方

介護と心の記録

ドキドキ不安を抱えながら帰省した日。

今回のもう一つの目的は、お薬カレンダーのチェックでした。
思ったよりも薬は飲まれていたので、少しホッとしました。

でも、月末の薬がすでになかったり、逆に月初の薬がそのまま残っていたりと、
日付と服薬がバラバラになっている様子も見られました。

母の様子はというと、相変わらず夜になると通帳や財布を自分のバッグに入れて、
それを抱えてぶつぶつ話しながら、テレビの前にぽつんと座っていることもあります。

でも、以前よりも少しだけ笑顔が見られるようになった気がします。

当時、私が一番恐れていたのは、「母が私のことをわからなくなること」。
も、その心配は今のところ大丈夫でした。

父は変わらず、「大変だ、なんでこんなことになったんだ……」と繰り返していました。

私は「こういうものだから仕方ないよ」と、できるだけ穏やかに話を聞くように心がけていました。

でも、実際のところ、家の中は8ヶ月以上も停滞していて、やることが山のように残っていました。
あの頃、母にすべてを任せきりにしていたなと、反省の気持ちがこみ上げてきました。

たとえば、飼っていた犬は毛がボサボサになっていて、狂犬病の注射も打てていない様子。
これからは、私が少しずつ計画的に帰省しながら、生活を整えていかないと
――そんな覚悟が芽生えた日でした。

この出来事は、まだ世間がコロナ禍の真っ只中にあった頃の話です。

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