ある日のことです。
私は母の家に泊まり、別室で寝ていました。
すると、まだ外が暗い朝4時ごろ。
突然、母が部屋に入ってきて私を起こします。
びっくりして目を覚ますと、騒がしい物音に気づいた父も起きてきました。
家の中がバタバタと騒がしくなるその中で、母は私に向かってこう言うのです。
「ラーメン食べなさい。」
そして、サラダと一緒に手際よくインスタントラーメンを作り始めました。
長年の習慣からか、こうした行動は驚くほどスムーズにこなします。
この時ばかりは、昔の“しっかりした母”の顔が見えたように思いました。
でも、それも束の間。
母は私の目をまっすぐ見て、こう言ってきたのです。
「あんたが変な軍団に引き込まれてるから、助けないといけない!」
真顔で、真剣な口調で言い放たれた言葉に、私は返す言葉を失いました。
そこからお説教が始まり、話はどんどん飛躍していきます。
今度は父に向かって
「あなたは浮気してる。私は知ってる」
と断言し始めました。
もちろん、父にそんな事実はありません。
でも、母にとっては“そう見えている世界”がすべてなのです。
そんな出来事が、まさかの朝4時に起きる。
私はここ数日、まともに眠れておらず、寝不足も限界に近づいていました。
だけど、これが「今の母」と向き合うということなんだと、
改めて思い知らされた出来事でした。

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